【3】燻製せずに生食できる生ハムパンチェッタを作る:市販品の調査2

生ハム自作

スペイン産生ハムの調査を

レシピ設計のために!
ということで参考資料として前回のイタリア産のPARMAに続きスペイン産のハモンセラーノ2種類を入手してきた。
ついでにイタリア産のパンチェッタも。
あとビール。
これで生ハム調査費用が5000円を超えてしまった。
調査ばかりでなかなか設計が始まらない。
調査は楽しい。調査は旨い。

世界三大ハムといえば
・イタリアのprosciutto di parma(プロシュット・ディ・パルマ)
・スペインのJamón Serrano(ハモン・セラーノ)
・中国の金華火腿 (Jīnhuá huǒtuǐ ヂンホア フオトェイ)要するに金華
である。残すは中国の金華ハム。是非とも調査したい(食いてぇ・・)

早速各パラメーターと所感を記録。
レシピ設計に向けた考察を行う。


スポンサーリンク


 

2種類のハムを比較する

COREN Jamón Serrano RESERVA 12ヶ月熟成
(コーレン・セラーノ・レゼルヴァ)

概要:スペインのハモンセラーノ。
”RESERVA”はおそらくワインの熟成等級からきていると思われる。
熟成期間が長い順に

    Gran Reserva, Reserva, Crianza, Sin Crianza

のReservaであると思われえる。

各種パラメーター(100g当たり)
〇価格 799円
〇水分活性 0.95未満
〇エネルギー965J/231kcal
〇脂肪 12g(うち飽和脂肪酸4.6g)
〇炭水化物 0.5g以下
〇タンパク質 29g
〇塩 4.0g

〇所感
・今までで一番コスパ高い感じがする。
・塩分量ほど良い(まぁ塩辛いけど)
・生臭さは無い
・鼻腔に抜ける乳酸発酵の香り(ヨーグルトの様な)
・乾燥した感じをイタリア産よりも感じる
・塩分量は4%
・材料は肉+塩+砂糖+硝酸Na,K(発色剤)+ポリデキストロース+酸化防止剤(VC)
持った感じ固かったのはポリデキストロースのせいだろうか?
結構いろいろ入って工業製品的である。色は真っ赤。


COREN Jamón Serrano GRAN RESERVA 15ヶ月熟成
(コーレン・セラーノ・グランレゼルヴァ)

概要:スペインのハモンセラーノ。
”GRAN RESERVA”先ほどの”Reserva”よりも熟成期間が長い。
使用されている豚肉はガリシア豚(通称ガリシア栗豚)の様である。

各種パラメーター(100g当たり)
〇価格 999円
〇水分活性 0.95未満
〇エネルギー1331J/320kcal
〇脂肪 22g(うち飽和脂肪酸9.2g)
〇炭水化物 0.5g以下
〇タンパク質 30g
〇塩 4.4g

〇所感
・今までで一番コスパ高い感じがする。
・塩分量ほど良い(まぁ塩辛いけど)
・生臭さは無い
・ワインの樽のような木や穀物のような香り。最早肉ではない。
・かなり水分は少ない
・塩分量は4.4%
・材料は肉+塩+砂糖+硝酸Na,K(発色剤)+ポリデキストロース+酸化防止剤(VC)
持った感じ固かったのはポリデキストロースのせいだろうか?こちらも色は真っ赤。


VILLANI Pancetta 75日熟成
(ビラーニ・パンチェッタ

概要:イタリア産のパンチェッタ。俗にいう生ベーコン。
よくあるごく普通のパンチェッタである。
脂身が半分くらい赤みは真っ赤発色剤パワーおそるべしである。
緑の皿が欲しい。イタリア!って感じである(?)

各種パラメーター(100g当たり)
〇価格 438円
〇水分活性 0.95未満
〇エネルギー371kcal
〇脂肪 33g(飽和脂肪酸データなし)
〇炭水化物 0.5g
〇タンパク質 18g
〇塩 4.5g

〇所感
・脂が旨い、予想外。
・塩分量ほど良い(まぁ塩辛いけど)
・生臭さは無い
・良く出会う生ハムの感じである。熟成期間が浅いとこんな感じなのだろうか?
・かなり水分は少ない
・塩分量は4.5%
・材料は肉+塩+ブドウ糖+香辛料+硝酸Na,K(発色剤)+酸化防止剤(VC)。赤身は真っ赤。


まとめ


左がGRAN RESERVA真ん中がRESERVA右がパンチェッタである。

PARMAは発色剤を使っていなかったが今回は使っているようである。
色の具合はPARMAがナチュラルなピンク色に対して、発色剤使用のハモンセラーノは赤とか紅って感じである。

以上からわかったこと&考察
・熟成期間が1年超えると肉ではなくて穀物のような香り(飼料として食べていたものだろうか?)の香りが出てくる
熟成期間は1年くらいがちょうど良さそう。
・パンチェッタが塩分濃度4.5%で熟成期間75日。最低このくらい熟成させれば生食リスクは下がるのではないだろうか?
・今回入手したハモンセラーノは塩分濃度が4%であったがこれは砂糖の併用によって塩分量を少なくしているのではないだろうか?
両者ともに甘みは感じない。十分に代謝され切っているのでは??
・発色剤は使ってもいいが赤すぎて若干毒々しく感じるレベルである。
・PARMAは皮つき肉、ハモンセラーノは皮無肉なので自宅で小ロット作成の場合はハモンセラーノ的(乾いた感じ)に仕上がるのでは??

塩分濃度は完成時4.0%~4.6%程度を狙う
★熟成期間は1年ジャストくらいが旨い。超熟すると肉が穀物に戻る(これはこれでうまい)

なんとなく作り方が理解できてきました(再)。
次回こそは、次回こそは!!!!
実際のレシピの設計を開始する。


 

スポンサーリンク