【2】燻製せずに生食できる生ハムパンチェッタを作る:市販品の調査1

生ハム自作

イタリア産生ハムの調査を

レシピ設計のために!
ということで参考資料としてイタリア産の生ハム2種類を入手してきた。
あとビールも。
調査なので致し方ない。

今回はレシピ設計に向けた市販品の調査である。
レシピのみ知りたい方は次回以降のレシピ設計を参照してほしい。(レシピの結果がわかるのは1年後だが・・・)

”生ハムといえば塩蔵、乾燥後に冷燻したもの” というイメージがあるかもしれないが
燻製してあっても無くても非加熱であれば生ハムである。
イタリア語で言うとprosciutto cured(プロシュートクルード、プロシュットクルード(こちらのほうが発音が現地語に近い))
「めっちゃ乾いた肉」ということらしい。塩蔵、乾燥したものをそう呼ぶようですね。
「日本国内で製造されたものは燻製したものが多いよねぇ~。」ってことで。
高温多湿の日本の気候でカビが生えないようにとか
日本人の好みの風味だとか
熟成期間が短くても風味付けができる等など
いろいろな理由が考えられます。
日本の食肉加工は”ドイツ式”が起源というのも影響しているのかもしれません。
”世界三大ハム”は燻製してないですし、海外を見渡すと燻製したもののほうがレアケースなような感じがします。

脱線はこのくらいにして、早速各パラメーターと所感を記録。
レシピ設計に向けた考察を行う。


 

2種類のハムを比較する

sapori d’italia prosciutto cured 9か月熟成
(サポーリ・ディ・イタリア プロシュット・クルード)

概要:イタリア産のプロシュット。
”prosciutto cured”「塩漬けの肉の干物」というような意味になるかと。
成城〇井でプロシュートを探すとこれが最も安価でした。
プロシュートおそるべし。

各種パラメーター(100g当たり)
〇価格 545円
〇水分活性 0.95未満
〇エネルギー984J/236kcal
〇脂肪 14g(うち飽和脂肪酸6g)
〇炭水化物 0.5g(うち糖 0g)
〇タンパク質 27.1g
〇塩 6.0g

〇所感
・これだけで1000円超えるのか・・・・・・・
・ショッパイが旨い(塩辛い)
・生臭さがある
・鼻腔に抜ける乳酸発酵の香り(ヨーグルトの様な)
・塩?肉?の粒子感ざらつきを舌で感じる
・塩分量は6%
・材料は肉+塩+硝酸カリウム(発色剤)


sapori d’italia   prosciutto di parma  熟成期間 12ヶ月以上
(サポーリ・ディ・イタリア プロシュット・ディ・パルマ)

概要:”prosciutto di parma” 言わずとしれたパルマハムである。
パルマのクラウン印がまぶしい。
無印プロシュッドの2倍の単価である。
成〇石井の最上級プロシュートである。

各種パラメーター(100g当たり)
〇価格 1090円
〇水分活性 0.95未満
〇エネルギー1056J/253kcal
〇脂肪 16g(うち飽和脂肪酸5.3g)
〇炭水化物 0.3g(うち糖 0g)
〇タンパク質 27g
〇塩 4.6g

〇所感
・「PARMA」印がつくと値段が倍になる。。。。。
・ショッパイ(けどうまい、うますぎる)
・肉の香りはあるが嫌なものではない
・ほのかな甘みとさわやかな蒸留酒のような熟成されたハードチーズの様な香り
・舌触りは非常になめらかで噛めばほぐれるし油も溶けるが噛み応えはシッカリがある。ずっと噛んでいたい。噛んでいると無くなる
・塩分量は4.6%
・材料は肉+塩発色剤は使われていない。自然なピンク色であるのが特徴的。


まとめ


左がPARMAで右が無印

熟成期間が3か月違うが、香りの差は熟成期間の差なのだろうか?
そもそも肉質的に違いそうである。PARMAのほうが脂質も少なく、脂身の入り方も良く身も赤い。
良く運動していそう。
活動的な健康豚さん v.s. 引きこもり運動不足豚さんの可能性がある。
ちなみに我が家の猫は無印は無視だったがPARMAを開けた瞬間に目を輝かせて駆け寄ってきた。
香りが明らかに旨いのであろう(塩が多いからアゲナイけど)

以上からわかったことは
・こういった類のし好品的食べ物は値段に比例して露骨に旨くなる。
・豚は放牧の良く運動している放牧ものを使うと良さそう
塩分濃度は4.6%が美味い、最低4.6%は防腐(長期熟成)のために必要そうである。
塩分濃度6.0%まで高めると熟成期間が短くても肉質がしっかり滅菌されると思われる。
両者とも食品としての表示なので完成品状態の塩分濃度であって生肉状態に使う塩量ではない。
完成時の重量を見越して計算する必要がある。注意が必要である。
塩分が高ければ腐敗リスク低下で歩留まり向上、管理の手間も減るのだろうからそれが価格差に反映されているのかもしれない。(生食リスクも低下、管理コストも低下)
・両者とも香りは「乳酸発酵臭」である。長期熟成をして肉質内のグルコースをシッカリ乳酸発酵させてる。
・「乳酸発酵」が行われているので初期の水が多い時の脱水目的および保水目的に塩以外にグルコース(ブドウ糖)を使用しても良いかもしれない
→(熟成過程でグルコースは代謝されて乳酸になるから甘くはなくなると思われる。ショ糖でもいいけど)
・水分活性は0.95未満でそれほど低くない。乾かしすぎてはいけないのである程度大きな塊で製造する必要がありそう。
・空気中に野生種の乳酸菌は相当数漂っているが、場合によってはヨーグルトなどの力を借りても良いのかもしれない。
・使用する塩は肉の鮮やかな赤色の発色を狙ってピンクソルト(硝酸塩含有)を使用すると良さそうである。
・日本の生ハムが燻製されている事が多いのは、風味面での日本人の好みもあるが
高温多湿の日本の気候だと熟成中に表面にカビ(と言ってもおそらく麹や酵母の食っても平気な)
の発生確率が高まる。カビ抑制のために燻製するようになったのだと思われる。
熟成環境さえ整えれば燻製しなくとも生食できる生ハムは作れるはずである。
・熟成環境を整えるためにはワインセラーなどの恒温恒湿環境が必要になる可能性がある。
→家庭用冷蔵庫で恒湿環境が作れないかトライしてみるか・・・ワインセラー的なものを買うか

塩蔵&乾燥は初期の防腐に効果があり、乳酸発酵が長期熟成のためのに重要な保存性向上と生食リスクの低下を担っているのだと思われる
生ハムは発酵食品なんですね!!

 

なんとなく作り方が理解できてきました。
次回実際のレシピの設計を開始する。